ア行の作家

2010年12月19日 (日)

三匹のおっさん 有川浩

51xmi4gl__bo2204203200_pisitbsticke

三匹のおっさん 有川浩

面白い本だった。
3人のおっさんがそれぞれの持ち味を生かして、町の悪事を解決していく。

この街限定の正義の味方

生きがいってやつだと思う。
今まで生きてきた道が間違ってないから、堂々と立っていられるんだとも思う。

年は老年に差し掛かっても現代の老人は元気いっぱい。おじいちゃんなんて呼ばれたくないし、リタイヤなんてしてられない。
それでも、誰からも相手にされなくちゃ淋しいし、年若い人たちを物足りなく思っても付き合っていかなきゃなんない。

さびしくて、怒りに震えて、歩み寄って・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月18日 (木)

オー!ファーザー 伊坂幸太郎

51yzviobl7l__sl500_aa300_

オー!ファーザー 伊坂幸太郎

久しぶりのわたくしの愛する伊坂幸太郎。
ニヤリと笑い、心のメモに書きこむ・・そんなセリフのオンパレード。

甘い世界にいながら、そこにいるから、甘いとは気がつかない。
だってそこで一生懸命生きているし、そこでの価値観しか知らないから。
世の中に心動かすことなく、人をぶん殴れるヒトがいることを実感として知らない。
そのことを知るのは怖いなぁ。
自分に価値が全くない世界を知ることになるんだしね。

四人の父親。
その父親が競うようにして愛してくれる。うっとおしいほど。
新聞の連載だったとのことで、色々詰め込まれて盛り上がるところも多数。

楽しく読んだ。

大人の役割とは

生意気なガキの前に立ち塞がること
煩わしいぐらいに進路を邪魔すること

中学生とは

自尊心ばっかりで生意気な年頃
性欲を意識して、翻弄されはじめる頃
友人との関係が世界のすべてと感じている
情報ばかりを仕入れて世の中を知った気でいる
大人よりも自分たちの方が偉いと思っている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年8月29日 (日)

びっくり館の殺人 綾辻行人

51b85mlbhjl__sl500_aa300_

びっくり館の殺人 綾辻行人

わたくしの大好きな館シリーズのひとつ。

少年少女向けに書かれたもの。
この本でお得なのは最後に袋とじで道尾秀介との対談があるところ。

やっぱりおもしろい。
読むといい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年8月 8日 (日)

フリークス 綾辻行人

51gwlxocvrl__sl500_aa300_

フリークス 綾辻行人

香山リカの解説のが怖いよ。

わたくしはその人にとっての現実が本当だと思う。
たまにどれが現実かわからなくなる時があるが、かろうじてこれだろうと思うところに帰っていく。帰れて嬉しいのかどうかはわからない。どっちだっていいような気がする。どっちも現実なら苦しいし楽しいことなんてないんだからね。

きみにとっては本当だろうが、ばかばかしくってやってらんねぇよ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年3月15日 (月)

きんぴか 浅田次郎

Photo

きんぴか 浅田次郎

まったく、こんなやつらばっかりなら社会はむちゃくちゃだろう。いや、まっとうなんだろうか。世の中まっとうな奴ばかりならまっとうな社会になるのか。

さしみの法則:30%はリーダー、40%は働き者、30%はなまけもの
この中のリーダー30%をひとつの場所に移動させると、やはり3・4・3に分かれてしまう。

やっぱり無理だな。

でも一途に何かを信じるってぇのはすばらしいこと。自分で自分に恥じない生き方、自分で自分を落とし込まない生き方。勇気さえあればこんな生き方も可能だ。

ニゲルナ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年3月10日 (水)

植物図鑑 有川浩

Photo

植物図鑑 有川浩

まったくかわいらしい。
幼い子どもの前で涙する男。とにかくテレまくる女。

まったく・・・。
こんな世界は大嫌いだけど、こんな世界に憧れる自分もいる。日常生活のあれこれがきゅうにイカしてみえたり、オサレモード全開になってみたり、うらやましいではないですか。とにもかくにも食事を作ってくれる男、しかも日常的に・・。イイ!!洗濯も掃除も料理も、やるべきことになった時から負担な気持ちになってしまう。ここんところがわたくしのあほなところだとわかってはいても、基本大して好きでもないから義務感が先にたつ。あぁイヤだ。好きだったら良かったのに、自分がやりたいからやるのよ的な感じ。だから、結局、気持ちよく日常を送れていそうな話を読むと気持ちがいいのだ。こんなバカみたいなお話でも、自分自身の日常にちょっとだけ良き心が入り込むのだ。雑草という名前の草はないのだ。わたくしの日常もわたくしにとってはスペシャルなのだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年3月 6日 (土)

あるキング 伊坂幸太郎

Photo

あるキング 伊坂幸太郎

よくわからない。おもしろくないし。
伝記のようです。生まれてくる前からお話が始まり、0歳、3歳、10歳・・23歳、0歳と続いていきます。彼は何も考えません。ただ与えられたやるべきことをこなすのみ。やるべきでありやらねばならないことを黙々とやるのは、楽しいとか生きる意義とかそういったものを超越しています。まわりがどんなに熱くなろうが、冷たく当たろうが我関せず、周りのことなどキレイに黙殺できるのです。それが王に与えられた最大の資質なのかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年3月 5日 (金)

天切り松 昭和侠盗伝 浅田次郎

4kann

天切り松 闇がたり〈第4巻〉昭和侠盗伝 浅田次郎

いかに民主主義の世の中だって、物事の善悪まで数の多寡で決まるわけじゃあねえ。たとえ一握りの善行でも、いいものはいい。みんなしてやろうが、悪いことァ悪いんだ。その通理もわからずに、運が悪かったと言うおめえは、根っからの悪党さ。

いつのまにやら時代は昭和。

昭和侠盗伝
大きな仕事をした人はやっぱり大きいもんだ。その仕事の中身が歴史の上でどう変わろうともきっちり始末をつけて生きていなさる。

日輪の刺客
昔は男も女も我慢強かった。ぽわぽわした愛の言葉をもらえなくとも自身の身の丈で諦め愛し過ごしていた。リッパなおつむがそろっていようとどうにもならずに動いていってしまう哀しさ。

惜別の譜
ギャングでも変質者でもない。誰よりも当たり前の日本人。あの人はお国をとてもよく知っている。昔のことも、今も、未来も。そんなあの人をひとりだけ陽ざかりの広場に残して、みんなが木陰に入ってしまっただけ。

どこに真実があるかといえば、その人の胸のうちにのみ。どこに正義があるかといえば、やっぱりその人の辛抱の中にのみ。

王妃のワルツ
黄不動。しんじゃうの?

尾張町暮色
悪いのはいつも男か。悪いのは誰か。悪いのはいつも自分だ。我慢して我慢してどっかんと切れたらあの人は許してくれるだろうか。分ってくれるだろうか。そんなことは関係ないのか、もうあの人は口もきけない。私っちの中にしかいないから。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年3月 4日 (木)

天切り松 初湯千両 浅田次郎

Photo

天切り松 闇がたり〈第3巻〉初湯千両 浅田次郎

いらぬ戦にかり出されて死んだことが、名誉の戦死でござんすかい。

どんな破れかぶれの世の中だって、人間は畳の上で死ぬもんだ!

つくづくまっとうに生きるってコトがどんなことだかわかる。義理を通して筋を通して、辛抱して生きること。格好が良すぎる。

初湯千両:寅、勲
湯屋のお金を落として泣く子にかかわって、過去を思う寅兄ぃ。

共犯者:常次郎
百面相の書生常、共犯者は?

宵待草:おこん、竹久夢二
思いつくままに生きることが芸術家の宿命ならば、不幸ではないにしろこれほど難儀な人生はあるまい。
恋にそのままなびいてしまえばこれほど楽なことはないだろう。恋を知りたいと思いながら引き返していかねばならないのはやっぱり職人だからかな。

大楠公の太刀:栄治、森鴎外
死にゆく幼馴染の小さい頃に縛られた縄を解いてやりましょう。

道化の恋文:康太郎
オワライクダサイイツマデモ
職は一芸。一芸をとことん磨けァ、誰だってらしく見えるのァ当たり前だ。その昔ァ、湯屋に行ったって、男の稼業はそうと知れたもんだ。まったく、素人だらけの世の中になったもんだの。
そのかわり、のし上がるのは並大抵じゃなかっただろうしね。背中に職業が透けて見えるんだもの、自由恋愛なんて絵にかいた餅ってやつだよね。

銀次蔭盃:銀次親分、安吉親分
男の言いわけは、体でするもんだ。
上野の駅でやっと出てきた懲役にその場で連れ戻された銀次親分とはめられた安吉親分の邂逅。涙なくては読めませんぜ。
自分より気の毒な人間のいるうちは、辛抱をしなけりゃいけない。上を見ずに下を見て歩け。自分よりかわいそうな人間だけを、しっかりと見つめながら歩くんだよ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年3月 3日 (水)

天切り松 残侠 浅田次郎

Photo

天切り松 闇がたり〈第2巻〉残侠 浅田次郎

天切り松の2巻。
登場人物が渋い。とにかく格好がいい。江戸っ子の小気味よいべらんめぃ口調が文字を追いながら頭の中で音となって聞こえてくるような気がする。

残侠:清水の小政、寅アニィ
最後の博徒。古き良きしきたりが通じなくなる哀しみ。

切れ緒の草鞋:清水の小政、おこん
最後の博徒の続き。一宿一飯の恩義ってすげぇ。よその家の敷居ってこんな風に扱われるものだったんだね。
「男てえのは、理屈じゃあねえ。おぎゃあと生まれてからくたばるまで、俺ァ男だとてめえに言いきかせて生きるもんだ」

目細の安吉:おしろい白井、安吉親分
良くも悪くも正義と悪は諸刃の剣。どっちもどっちもを内包している。

百面相の恋:常兄ィ
詐欺は囲いがでかけりゃでかいほどばれねぇ。

花と錨:おこんさん
おこんさんにストーカー?

黄不動見参:栄治
天切りに必要なのは何はなくとも『心意気』

星の契り:初菊
松蔵の筆おろし。

春のかたみに
松蔵の父さんが死んでしまった。親分からみんなで供養してくれようとするも、松蔵どうしてもとうさんを許せない。でもねだけどね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧