マ行の作家

2010年10月27日 (水)

小暮写真館 宮部みゆき

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小暮写眞館 (100周年書き下ろし) 宮部みゆき

珍しく
読み始めが退屈でした。
長い物語なので、最初がいまいちだと何となく手が伸びない。
でもしかし。
結局、やさしい物語を読ませてくれました。

新居を探そうと行きついた先はなんと古ぼけた写真館。
写真館だけに【心霊写真】なるものが持ち込まれ、その謎を解く。

謎を解くといっても解答は向こうから勝手にやってくる。
待つ時は待つ。あせって動いても何の収穫もない。
それを得ることが必要であるなら、答えは探さなくてもやってくる。

学校が怖い。親戚が怖い。自分の罪悪感。
逃げにくいものから逃げようとするのがどれだけ大変か。
ケリをつけることがどれだけ大切か。

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2009年10月29日 (木)

カウンセラー完全版 松岡圭祐

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カウンセラー 完全版 松岡圭祐

お久しぶりのカウンセラー嵯峨くん。

なんとも悲惨。
音楽療法士として立派な業績を残す先生。
音楽に鋭敏なだけに他の機能もやけに鋭敏。
そのくせどんかん。
とんとん拍子でおもしろいんだけど、嵯峨くんもやけにサイコパスってる。
カウンセラーが何もかもお見通しなわけないじゃん。

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2009年6月15日 (月)

鬼の跫音 道尾秀介

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鬼の跫音 道尾秀介

表紙がバカみたいに怖いって。持っているのがいやなくらい。
短編集。6編。
みてはいけない深いところに沈んでいってしまった人たちの物語だからそんなに怖くない。わたくしにはまったく関係のない人たち。この人たちには心も温度もないのだ。読めども読めども何も感じないし何も残らない。

『鈴虫』
好きな女の子は隣の部屋の住人と付き合っていた。隣の部屋の住人がいなくなり好きな女の子と結婚できた。神経が細いなら壊れるまで我慢しなくたっていいのに。

『(ケモノ)』
壊れたイスの足には文字が彫ってあった。刑務所で作られたそのイスに彫りこんだのは家族を皆殺しにした刑で服役していた人。蝶に誘われその人について調べにいく。家族ともっと話し合うべきという答えは彼には遅すぎた。

『よいぎつね』
度胸試しという極悪犯罪。自分の罪から逃れるにはあの日の自分に罪を犯させないこと。

『箱詰めの文字』
作家で成功したい。才能がないと気付いたって何かを犠牲にしてでも世に出たい。

『冬の鬼』
1月8日からはじまって1月1日で終わる日記。過去へとさかのぼる。

『悪意の顔』
いじわるをされる。それはとても辛いことなのでその子がいなくなることが楽になる一番の早道だと考えるようになる。その考えはおかしいのだろうか。悪い感情を抜けとってくれるキャンパスはすばらしいものじゃないか。それを操る人がとっくの昔に壊れてしまっていた人であろうとも。

何も残らないから覚書。

ソロモンの犬

カラスの親指

向日葵の咲かない夏

片目の猿

ラットマン

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2009年5月24日 (日)

返事はいらない 宮部みゆき

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返事はいらない  宮部みゆき

短編集。
さくさく読めて、上質。軽やかでじっくり。
読んで損なし。終わるのが惜しいくらい。

この人の物語は根っこのところに人が好き、人を信じたいってのがあるからやさしい文章になるんだと思う。だけど極悪な人の存在も知っていてダメな奴は何を言ってもダメって突き放している感じもする。君の人生はとても哀しいものだろうけどそれを否定はしないけど、やってはいけないことってやっぱりあるし、自分の人生に起こったことを他人のせいにするのはやっても仕方のないことなんだよ。それをふまえて苦しくても生きようよ。って誘われている気がする。メッセージ色が強いと思われる。応援として。上を見ればきりがないし下を見てもきりがない。自分をしっかと見て自分の幸せを、世の中となんとか折り合いをつけながら探さねばならん。戦わねばならん。そんなことをいわれている気がする。

やっぱりやさしい気がする。

宮部みゆき 1991年の作品

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2009年5月22日 (金)

淋しい狩人 宮部みゆき

淋しい狩人 宮部みゆき

短編集。
職人気質の古本屋のイワさん。
60代ハゲあたま。おせっかい。

わたくしは宮部みゆきのこの世界が大好き。
ヒトは淋しいもので哀しいもので、あたたかい人もいる。

短編ではあるけど、イワさんとお孫さんの生活が底にある。
けんかもするし、恋もする。ヒトの恋と孫の恋は立ち位置も違えば感触も違う。取り立てて何が起こるってわけでもないけれど、日常のちょっと先で起こるコトに怖さをおぼえる。

宮部みゆき1993年の作品

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2009年5月20日 (水)

英雄の書上下 宮部みゆき

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英雄の書 上

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英雄の書 下

宮部みゆき

ブレイブストーリーが自分と戦う物語なら、これは何と戦っているのかな。まだ戦ってはいないな。これから戦うのかな。戦うための準備をしているんだな。

なんだか中途半端な印象。

上巻は涙なくしては読めないよ。
にしても、子どもが立派すぎる。立派な子どもが魔に魅入られる。正義も悪も紙一重なんだ。

おもしろい物語であった。

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2009年5月12日 (火)

スナーク狩り 宮部みゆき

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スナーク狩り 宮部みゆき

哀しい。
この題材を扱った物語はいくつもある。
答えの出ないものだけに切り口はたくさん。そのどれにもうなずかされる。

たった一晩の物語。
やさしい人がやさしい人に触れて、怪物になる。
怪物に一度でも触れてしまったら、やさしい人も怪物を体のどこかに飼うことになる。

ヒトゴロシは悔いるのだろうか。ヒトゴロシを許せるのだろうか。許す必要などあるのだろうか。

無理やりな展開も見受けられるが、そんなのまったく気にならない。
苦しい場面に出会わなければ、怪物に出会わなければ、やさしい人は苦しまずにすんだのに・・。

宮部みゆき 1992年の作品

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2009年5月11日 (月)

火車 宮部みゆき

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火車 宮部みゆき

すぐ隣でおきている、恐ろしい現実。
最近はまさかと思うような犯罪がすぐそこで起きている。
それでも自分の身に降りかかってくることはないだろうと思っている。犯罪と日常生活は絶対に相容れないものだと信じている。

犯人は最後まで声を聞かせることはない。こんな人あんな人と語られることはあっても、肉声が聞こえることはない。どこにでもいるちょっとした美人。これといって特徴があるわけでもない、すぐそこにいる女の子。慎ましやかに暮らす、きれい好きのしっかり者。もしかしたらいとこのあの子かもしれないと思わせる怖さ。日常生活に入り込んでくる怖さ。

カードローンで破産してしまうのは特別なことじゃなくて、ちょっと夢を見ただけ、ちょっと贅沢をしただけ、ほんのちょっと踏み出してみただけ。ほんのちょっとだけ。
どこまでも追われる怖さ。先のない怖さ。ヒトでなくなる怖さ。

宮部みゆき 1995年の作品。

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2009年5月 1日 (金)

山魔の如き嗤うもの 三津田信三

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山魔の如き嗤うもの  三津田信三

怪奇作家のたたずまい、ホラーではないけれど伝承を読むようなおもしろさを感じる。

ミステリーかといわれるとどうかなぁ。わたくしは京極が好きなので、妖怪の存在を匂わせる物語は好物なのだ。

しかし、謎解きがつまらない。
驚かないし、ふむふむと納得もしない。

昔の女の子の遊び歌に見立てた殺人事件がおこる。

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2008年11月10日 (月)

パーフェクトブルー 宮部みゆき

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パーフェクト・ブルー 宮部みゆき

元警察犬マサが語る最初の事件。
守りたいものがあって守り方を間違える。大事であればあるほど、間違える。ヒトはホントに哀しい。マサは犬だ。ヒトが語るより種族を超えているぶん、感情移入が少なくてクールだ。だから余計にヒトの哀しさがみえてくる。

心とろかすような

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