サ行の作家

2010年8月30日 (月)

いつか響く足音 柴田よしき

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いつか響く足音  柴田よしき

家族。

他人よりも気を遣う。一度壊れたら修正はきかないのに、甘えがあるから他人には言わないようなことも愛の名のもとに言ってしまう危険がある。

どこか壊れた人々を描く短編集。

最後のブルガリ:父の自殺をきっかけとして借金地獄へ自ら落ちていく女の子

黒猫と団子:父と娘。けっこうコズルイ朱美ちゃん

遠い遠い隣町:息子の嫁はけっして娘ではない。子供を産みたての女は野獣である。野獣はテリトリーを強く意識する。姑がよいと思うことが嫁に賛同を得ることはほとんどない。息子は簡単に母を見捨てる。

いつか響く足音:息子と違って母は息子を絶対に忘れない。息子はいくつになっても母の命よりも重いのだ。もちろん母の夫の命よりも。

闇の集会:何かを望むと誰かが悲しむのは本当のように思える。でもそれは完ぺきに間違っている。

戦いは始まる:立ち直る。言葉にすると簡単なことだけど、抜け出せる人と抜け出す気がない人と抜け出せない人、どこに違いがあって、どうなるのが幸せなんだろうねぇ。

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2010年8月 5日 (木)

ワーキングガール・ウォーズ 柴田よしき

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ワーキングガール・ウォーズ 柴田よしき

軽々と進んでいるようで、一進一退右往左往している女性たち。
誰かにわかってほしいけれど、わかられてたまるかと虚勢を張るお年頃。

でも誰にも、自分にさえも負けない。

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2010年8月 4日 (水)

夜夢:よるゆめ 柴田よしき

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夜夢 柴田よしき

アンソロジーにだしていた作品をまとめたものらしい。

どれも印象に残らない。

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2010年3月14日 (日)

狸汁 銀次と町子の人情艶話 柴田哲孝

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狸汁 銀次と町子の人情艶話 柴田哲孝

この人のかく女はみんなかわいらしい淫乱。
ふ・ざ・け・ろ

料理はうまそう。うまそうな料理を出すなら写真くらいかざっとけよ。想像するにも無理がある。なぜならわたくし、高級料理屋などとは縁がない。

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2010年3月 9日 (火)

殺気! 雫井脩介

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殺気! 雫井脩介

雫井作品だから、いつか面白くなるのだろうと期待して我慢して読み進めた。最後まで面白くなかった。

主人公ましろのいとこ佐々木深紅。この名前だけで読んだといっても過言ではない。

主人公は20歳になって自身に殺気を感知する能力があることを認識。まったく話のスジとは関係のないいろいろがあって、殺気を感じることにより身に降りかかる暴力行為をことごとくさばく。主人公がとても心根の良い子というオチ。

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2010年2月14日 (日)

TENGU 柴田哲考

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TENGU 柴田哲考

男目線ではあるが、面白い発想だしテンポが良い。
女は何者をも飲み込んでしまうのだな。怖ろしや。
面白いとはいえ、リアリティは皆無。
登場人物がいちいち変過ぎる。こんなヤツおらん・・と思いたい。

村とも呼べないほど辺鄙な場所での猟奇殺人。
ヒトが行ったとは思えないやり方で殺された人々。
殺人犯は天狗?
動きのおかしい外国人、警察高官による証拠隠滅。

確実にみなの目に触れる形にならないと認められない「本当」
みんなの望む現実じゃないと受け入れられないのってわかるなぁ。

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2009年10月25日 (日)

青酸クリームソーダ〈鏡家サーガ〉入門編  佐藤友哉

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青酸クリームソーダ〈鏡家サーガ〉入門編 佐藤友哉

わたくしはこれがきらいだ。

フリッカー式

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2009年10月 2日 (金)

フリッカー式 佐藤友哉

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フリッカー式 <鏡公彦にうってつけの殺人>  佐藤友哉

暴力を軽やかに行うのは資質が必要だ。
資質がなければ、殴ったり刺したりを日常的に行い、慣れてしまうことだ。

主人公は自分を狂っている狂っていると認識する。
狂っているのはこの物語だ。

壊れていたり狂っていることが賛美されるのか。
自分がどこまでまともだというんだ。
これっぽっちも穢れていない女に落胆してもっと汚そうとするなんて、自分の世界が壊れていたとしても鬼畜なことだ。
この鬼畜もほめ言葉になりそうでまったくうざったらしいことだ。
もっともっと暴力の裏を読めというのか?
わたくしも年のせいか、あけっぴろげな暴力はつかれるのだ。
一線を越えるのは実は簡単。

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2009年8月23日 (日)

繋がれた明日 真保裕一

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繋がれた明日 (新潮文庫) 真保裕一

なってみなくちゃわからない。
でも想像はできる。

殺人を犯して服役して、帰ってくる。
服役したって殺人を犯さなかった前には戻れないし、罪がなくなったわけでもない。そんなことは本人もよくわかっているのに、忘れるな忘れるなと重圧がすごい。日常生活の中、一瞬でもそのことを忘れて微笑むことも許されないのかと主人公は思う。わかってはいながら、被害者を恨む。

気持ちは分らなくもないが、この主人公はいやな感じ。
とてもとてもいやな感じ。
ずっといやな感じなので、いい小説とは感じつつも楽しめない。

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2009年6月14日 (日)

ビター・ブラッド 雫井脩介

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ビター・ブラッド 雫井脩介

いやぁ予想に反しておもしろかった。
お篠さんシリーズはなんとも荒唐無稽感が際立っていたし、虚貌なんて暗ぼったくってやりきれなかった。またも刑事モノということで重苦しいのかと思いきや、イカした刑事のてんこ盛りでした。軽いにやり系の読み物として最高です。

わたくしはまじめにとんちんかんな自信家が大好物。

情報屋が笑いながら墜落死、捜査一課の課長が喉を掻っ捌かれて死んでしまう。そこには警察内部の腐敗があった。みたいなお話なんだけども、夏樹の父親に対するタメ口にはいささか閉口しましたが、やりとりがおかしい。夏樹の反発にとんちんかんな応対をして流す父ジェントル島尾。ここでもすれ違いはあるのだけれど虚貌のようなやりきれなさはまったくない。初対面から夏樹に親切にしてくれる情報屋相星。この人もおちゃらけながらも実力派なのである。なんてことない会話を思い出し、何がヒントになるかわからないなか、じりじり核心へ迫っていく。ただ一言のごめん。お父さんは無実との誰かの言葉。煮え切らない何かを解消するべく動いていく。

白銀を踏み荒らせ

栄光一途

虚貌

火の粉

犯罪小説家

犯人に告ぐ

クローズドノート

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