いつか響く足音 柴田よしき
いつか響く足音 柴田よしき
家族。
他人よりも気を遣う。一度壊れたら修正はきかないのに、甘えがあるから他人には言わないようなことも愛の名のもとに言ってしまう危険がある。
どこか壊れた人々を描く短編集。
最後のブルガリ:父の自殺をきっかけとして借金地獄へ自ら落ちていく女の子
黒猫と団子:父と娘。けっこうコズルイ朱美ちゃん
遠い遠い隣町:息子の嫁はけっして娘ではない。子供を産みたての女は野獣である。野獣はテリトリーを強く意識する。姑がよいと思うことが嫁に賛同を得ることはほとんどない。息子は簡単に母を見捨てる。
いつか響く足音:息子と違って母は息子を絶対に忘れない。息子はいくつになっても母の命よりも重いのだ。もちろん母の夫の命よりも。
闇の集会:何かを望むと誰かが悲しむのは本当のように思える。でもそれは完ぺきに間違っている。
戦いは始まる:立ち直る。言葉にすると簡単なことだけど、抜け出せる人と抜け出す気がない人と抜け出せない人、どこに違いがあって、どうなるのが幸せなんだろうねぇ。
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