返事はいらない 宮部みゆき

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返事はいらない  宮部みゆき

短編集。
さくさく読めて、上質。軽やかでじっくり。
読んで損なし。終わるのが惜しいくらい。

この人の物語は根っこのところに人が好き、人を信じたいってのがあるからやさしい文章になるんだと思う。だけど極悪な人の存在も知っていてダメな奴は何を言ってもダメって突き放している感じもする。君の人生はとても哀しいものだろうけどそれを否定はしないけど、やってはいけないことってやっぱりあるし、自分の人生に起こったことを他人のせいにするのはやっても仕方のないことなんだよ。それをふまえて苦しくても生きようよ。って誘われている気がする。メッセージ色が強いと思われる。応援として。上を見ればきりがないし下を見てもきりがない。自分をしっかと見て自分の幸せを、世の中となんとか折り合いをつけながら探さねばならん。戦わねばならん。そんなことをいわれている気がする。

やっぱりやさしい気がする。

宮部みゆき 1991年の作品

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淋しい狩人 宮部みゆき

淋しい狩人 宮部みゆき

短編集。
職人気質の古本屋のイワさん。
60代ハゲあたま。おせっかい。

わたくしは宮部みゆきのこの世界が大好き。
ヒトは淋しいもので哀しいもので、あたたかい人もいる。

短編ではあるけど、イワさんとお孫さんの生活が底にある。
けんかもするし、恋もする。ヒトの恋と孫の恋は立ち位置も違えば感触も違う。取り立てて何が起こるってわけでもないけれど、日常のちょっと先で起こるコトに怖さをおぼえる。

宮部みゆき1993年の作品

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英雄の書上下 宮部みゆき

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英雄の書 上

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英雄の書 下

宮部みゆき

ブレイブストーリーが自分と戦う物語なら、これは何と戦っているのかな。まだ戦ってはいないな。これから戦うのかな。戦うための準備をしているんだな。

なんだか中途半端な印象。

上巻は涙なくしては読めないよ。
にしても、子どもが立派すぎる。立派な子どもが魔に魅入られる。正義も悪も紙一重なんだ。

おもしろい物語であった。

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スナーク狩り 宮部みゆき

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スナーク狩り 宮部みゆき

哀しい。
この題材を扱った物語はいくつもある。
答えの出ないものだけに切り口はたくさん。そのどれにもうなずかされる。

たった一晩の物語。
やさしい人がやさしい人に触れて、怪物になる。
怪物に一度でも触れてしまったら、やさしい人も怪物を体のどこかに飼うことになる。

ヒトゴロシは悔いるのだろうか。ヒトゴロシを許せるのだろうか。許す必要などあるのだろうか。

無理やりな展開も見受けられるが、そんなのまったく気にならない。
苦しい場面に出会わなければ、怪物に出会わなければ、やさしい人は苦しまずにすんだのに・・。

宮部みゆき 1992年の作品

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火車 宮部みゆき

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火車 宮部みゆき

すぐ隣でおきている、恐ろしい現実。
最近はまさかと思うような犯罪がすぐそこで起きている。
それでも自分の身に降りかかってくることはないだろうと思っている。犯罪と日常生活は絶対に相容れないものだと信じている。

犯人は最後まで声を聞かせることはない。こんな人あんな人と語られることはあっても、肉声が聞こえることはない。どこにでもいるちょっとした美人。これといって特徴があるわけでもない、すぐそこにいる女の子。慎ましやかに暮らす、きれい好きのしっかり者。もしかしたらいとこのあの子かもしれないと思わせる怖さ。日常生活に入り込んでくる怖さ。

カードローンで破産してしまうのは特別なことじゃなくて、ちょっと夢を見ただけ、ちょっと贅沢をしただけ、ほんのちょっと踏み出してみただけ。ほんのちょっとだけ。
どこまでも追われる怖さ。先のない怖さ。ヒトでなくなる怖さ。

宮部みゆき 1995年の作品。

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パーフェクトブルー 宮部みゆき

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パーフェクト・ブルー 宮部みゆき

元警察犬マサが語る最初の事件。
守りたいものがあって守り方を間違える。大事であればあるほど、間違える。ヒトはホントに哀しい。マサは犬だ。ヒトが語るより種族を超えているぶん、感情移入が少なくてクールだ。だから余計にヒトの哀しさがみえてくる。

心とろかすような

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心とろかすような 宮部みゆき

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心とろかすような―マサの事件簿 宮部みゆき

元警察犬マサが語る短編集。
ホントに心とろかすような感じ。
理解しているのに伝えられないもどかしさ。
ヒトが考える、犬であるマサが考える。
こうであるべき、こうであってほしい。ヒトの世界も犬の世界も。よぅく考えて、大事に生きていかなきゃなって思う。って、宮部みゆきの本て良い人モードにさせられちゃうや。

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おそろし 

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おそろし 三島屋変調百物語事始 宮部みゆき

宮部みゆきの時代物。
わたくしの大好物。
そこはかただようゆったりとした風情。
ぽんと帯をたたいたり、ゆるゆると首をふったり、恩があったり、自分自身がとてもつらいのにぐっと抑えて世話を焼いたり焼かれたり。

ふと思う。
今にも通ずるあれやこれや、身分違い、大人の分別、貧乏。
みんなが同じ中流と思って生きてきたから、現代は格差を見て見ぬふり。平等民主主義。ここはきっちりわかっているだけ救いがあるのか。

物語は自分では処理できない重さを背中にしょってしまった娘さんの辛さからはじまる。辛くて哀しくて、自分を悪だと思うけれど自分を捨てきることも人を責めることも出来なくて立ち往生。娘さんは、この不幸は自分だけのものだと思うけれど、そこに逃げたいと思うけれど、下を見れば限がないということじゃなくて世の中には色々なモノをしょった人がいる。それは比べれるわけもないけれど、知らないよりは知って考えてみた方が良い。ヒトと比べてヒトの考え方に触れてヒトの逃げ場をみてヒトの戦い方をみて、自らも考える。自分の立ち位置をしっかと握る。生きていかねばならぬ。

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楽園 宮部みゆき

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楽園 宮部みゆき

人生には穴があいていて、落ちてしまう場合もあるし、上手く避けられることもある。

人が掘った穴があいていることもあれば、なぜか自分で掘っていることもある。

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鳩笛草―燔祭・朽ちてゆくまで

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鳩笛草―燔祭・朽ちてゆくまで 宮部みゆき

普通にはない能力を持った女性たち。
忘れていたり(朽ちてゆくまで)、持て余していたり(燔祭)、依存していたり(鳩笛草)・・・。

超能力というものが、自分の中に有ったら
ただその能力があるというだけで、人間的にスーパーではなかったら
悩んだり折り合いをつけたりして生きていくんだと思う。
そんな本。
なんで生きなきゃいけないの的な悩み。

持っている力をなんで使っちゃいけないの。
せっかく持っているのに。

女なんだから女としての特性をなんで使っちゃいけないの。
せっかく女なのに。

親父が権力者なのになんでコネを使っちゃいけないの。
せっかく力があるのに。

一般に普通に生きたいと思う心と人と違うところを最大限に活用して生きていきたい心。どちらも“普通な”感じ方。超能力者を普通の人々のところに引きずり下ろしているんだな。だからこれはSFではなく、人間くさい小説なんだな。

好き。

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